ミニマリスト品川太郎の雑記ブログ 〜海外旅行・家電やサービスの体験談紹介〜

品川区在住ミニマリストが海外旅行やサービス体験談を発信中。週末や連休は弾丸日程でも海外旅行に行きたい(願望)。

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【ビジネスケーススタディ】ユニバーサル・スタジオ・ジャパンではなぜ快適に過ごせるのか?

日本のテーマパークといえば、「東京ディズニーランド」「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」を思い浮かべると思います。

 

かつてはディズニーランド一強の時代が長く続いていましたが、ここ10年ほど前からユニバの来場者数が増え続け、一時期はディズニーランドを越すほど成長し、日本の二大テーマパークとなりました。

 

そのような新興テーマパークだったユニバは、なぜ急成長し、今もなお集客し続けられているのでしょうか?

今回はビジネス視点ケーススタディとして分析してみます。

【ビジネスケーススタディユニバーサル・スタジオ・ジャパンではなぜ快適に過ごせるのか?

 

前提

テーマパークの大まかな収益構造は以下になります。

 

年間売上 = A.総来場者数 × B.1人あたり単価

A.総来場者数 = 1日あたり来場者数 ×  営業日数

 1日あたり来場者数 = 初回来場者数 + リピート来場者数

B.1人あたり単価 = 入場料 + オプション料 + グッズ + 飲食

 

KPI①:来場者数

設備投資をかけてエンターテイメント空間を作り上げ、そこに多くの人が来場しお金を落とすことで成り立つ一般的なビジネス構造です。

 

来場者数を増やすアプローチでは、営業日数には限り(年中無休で営業しても365日)があるため、1日あたりの来場者数を増やすことが必要です。

来場者の分け方には様々な切り方がありますが、ここでは新規とリピーターに分けます。

というのも、国内最大規模のテーマパークの来場者数を試算する上で、分母である総人口には限りがあり(コロナ禍でインバウンドも見込めない状況もあり)、ターゲットとすべきはリピーター顧客です。

某マーケッターが経営に加わり、施設リニューアルを大きく打ち出しているときや、ハリーポッターの施設を新設した時は新規顧客を増やすマーケティングでしたが、ある程度世の中的にユニバが広まった段階では、「いかに過去に来場した人がまた来場したくなるか?」が重要な視点になります。

加えて、テーマパークは一種のコンテンツビジネスであり、各コンテンツの知名度・魅力度によって営業成績が左右されるセレクトショップのような構造です。

 

つまり、小売店のようなサイクルが成り立ちます。

1.有名なコンテンツを取り入れ、そのコンテンツ目当ての来場者を獲得する

2.コンテンツの数を取り揃え、来場者の母集団を形成する

3.コンテンツを入れ替え、新たな顧客層を取り入れ続ける

 

例えば、鬼滅の刃のアトラクションを例に出すとわかりやすいと思います。鬼滅の刃が好きな顧客(おそらく子供連れ世帯がメイン)とスーパーマリオが好きな顧客(2,30代〜40代)がいたとして、任天堂単体のテーマパークができた時に来場するのは片方だけです。この両方のアトラクションがあるテーマパークには、両方の顧客が来場します。

この考え方で、コンテンツAの顧客、コンテンツBの顧客、コンテンツCの顧客、、、とコンテンツを揃えれば揃えるほど、そのコンテンツ特有の顧客を取り込めることになります。

コンテンツビジネスのデメリットは時代の移り変わりとともに衰退しやすく、2,3年前に流行ったコンテンツでさえ、今現在はほとんど目に触れる機会がないことも少なくありません。

そのためコンテンツを軸にしたアトラクションは定期的に入れ替える必要があります。

その点、当初からある遊園地的アトラクション(ジェットコースターや独特な町並みなど)という一種の普遍的なコンテンツを有しているため、期間限定コンテンツがハマりやすい構造です。

アトラクションが入れ替わると過去の来場者にとっても新しい体験ができるため、リピーター向けの施策といえるでしょう。

また、コアファン向けには年間パスポートを発行し、3回ほど来場すれば元が取れる価格設定をしていますが、そもそもコアファンはコンテンツではなくユニバ自体のファン層であり、必ずしもアトラクション目当てではない楽しみ方(個性的な空間や仮装して過ごせる固有の世界観)を志向していると考えられるため、年間パスポートは前述の施策とは別の意味での施策です。(価格面は後述します。)

 

KPI②:1人あたり単価

ユニバの来場者が施設に支払う料金としては、まず入場料が必然的に発生します。

施設に入場する権利を買うチケットであり、チケットさえあればほぼ全てのアトラクションを楽しむことができます。(人気アトラクションは待ち時間や事前予約があるため困難ですが。)

 

入場チケットに加えて「ユニバーサル・エクスプレス・パス」というアトラクションの優先利用権も販売しており、長い時間並部のが嫌な人は課金してアトラクションに乗ることができる仕組みもあります。(筆者もこのパスを利用しましたが、2時間待ちのアトラクションを5分ほどで乗ることができ、非常に快適でした。)

このパスの特徴は、大人・子供・シニア全ての人が同一価格である点です。

入場チケットは年齢によって価格を変えていますが、優先利用権は同一価格であり、大人数で来場するファミリー層は手を出しにくく、少人数で遊ぶ大人向けのプランとも言えます。

単純に娯楽という観点では、子供よりも大人の方が金銭的・時間的・空間的制限がないため選択肢が多く、年間の複数回来場を見込みにくい大人は1回で高単価で楽しませ、複数回来場の可能性が高い子供やファミリー層に対しては、低価格は何回も来てもらえる仕組みを作っているといえます。

つまり、一般的にテーマパークのターゲットになりにくい大人の来場者の単価を高める施策を実現しています。

 

他にグッズや飲食の売上もありますが、コンテンツが入れ替わるテーマパークは必然的にグッズも入れ替わり、その時々で新鮮なグッズを手に入れることができる状況を作り出している点も特徴です。(1回目はジョーズの被り物、2回目はミニオンの被り物、3回目はスーパーマリオの被り物など)

飲食に関しても、滞在時間が長くなるほど購買回数が増えやすいため、アトラクションの数を増やし、待ち時間が長くなるほど売れやすい仕組みです。(例えば3時間滞在と5時間滞在を比較すると、滞在時間が長い方がドリンクと軽食は注文した人の割合が高くなるなど)

 

KPI③:顧客満足度

エンターテイメント業界でリピーター獲得を目指す中で、避けては通れないのが顧客満足度の観点です。

せっかく楽しみにしているコンテンツ目当てで来場しても、待ち時間が長く施設が不便でストレスを感じていては、また次回来場したいとは思わないですし、そもそも途中で帰ってしまいます。

よくあるアプローチとしてはキャスト・スタッフの接客を向上させることで満足度を上げる方法がありますが、ユニバにいてキャストと接する時間と接さない時間では、どちらが多いのでしょうか。

そのため、接客や人以外の観点に注目してみます。

 

アトラクションで最もストレスを感じるのは待ち時間で、並んでいる時間は誰にとっても退屈でストレスを感じるはずです。

現に、課金して並ばない仕掛けを作っているため、金銭的に余裕のある人は追加料金を払ってストレスフリーで楽しむことができます。

では、追加料金を払わない人たちに対して何もしていないのかというと、そうではないと思います。

アトラクションで並んでいる時にストレスを感じにくくする施策としては、「前に進んでいる感」を演出することです。

並んでいる列の全体像を見せず、待ち時間常に歩いて進ませていると、立ったままの状態がなくなります。

アトラクション待ちの人は歩くことを強要されるため、立ったまま動かない状態で発生するネガティヴな思考も起こりにくく、「並んでいるけど進んでるから思いの外早く乗れそう」という考えを起こさせます。

その待ち時間にアトラクションに関係する展示を見せることで待ち時間自体をアトラクション化する施策も同時に取り入れられています。(ハリーポッタースパイダーマンのアトラクション)

ストレスをなくすため追加料金を払うか、一般料金でもそれほど退屈ではない待ち時間を演出することで、テーマパーク最大の欠点を補強することに成功しているといえます。

 

以上、今回はユニバーサル・スタジオ・ジャパンを例にとって、収益構造からKPI観点での施策を分析してみました。

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